自分たちのライフスタイルに合った土地を選ぶことは、これから長く住んでいくにあたって大切なこと。
周囲の環境や利便性、敷地の方位や地盤のよしあしなどさまざまな観点から探していきましょう。
周辺環境
周辺のリサーチは自分の足で
購入を考えている物件には必ず足を運ぶことが大切です。最寄りの駅から自分で歩き、バスを利用するのであれば、実際にバスに乗って確かめることが必要です。また、学校や病院、スーパーやコンビニ、公園などがどれくらいの距離にあるか確かめておきましょう。
日や時間を変えて何度か訪問することが必要
周囲が騒がしい、夜暗くて物騒、交通量が多いなど、住み始めてから気がつくことがあります。街の様子は平日、週末、昼間、夜と時間帯によってガラリと変わることがあるので、曜日や時間帯を変えて訪問することが大切です。それぞれの視点でチェックできるように、できるだけ家族全員で出かけるようにしましょう。
土地の形状や方位
大きさだけでなく形や向きも大切
土地の形は南北より東西の方が少し長い2:3の割合の長方形が理想的と言われています。三角形や欠けのある土地は家が建てにくく、デッドスペースが生じやすいので、できるだけ長方形や正方形に近い形に整備されている土地を選びましょう。また、方位で人気が高いのは、ほかの建物に日当たりや風通しが邪魔されにくい東南角地。ただし、価格はほかに比べ少し高めになります。
地盤の安全性
安心して暮らすために地盤調べは念入りに
土地を購入する際は、その土地や周辺部が造成前はどんな状態だったかを必ず確認してください。水田や沼地を埋め立てている場合は、地盤強化が十分に行われていないと地盤が沈下したり、一部が浮き上がってしまうことがあります。また、傾斜地に擁壁を組んで造成されている場合は、水抜きが万全かをチェック。盛り土なら基礎を深く打っているかも確認しましょう。
土地選びのチェックシート
生活の利便性について
- 買い物(スーパー・コンビニなど)
- 距離( )m
- 所要時間( )分
- 手段 □ 徒歩 □ 自転車 □ 車
- 閉店( : )
- 金融機関(郵便局・銀行など)
- 距離( )m
- 所要時間( )分
- 手段 □ 徒歩 □ 自転車 □ 車
- 営業時間( : ~ : )
- 行政機関(役所・警察署など)
- 距離( )m
- 所要時間( )分
- 手段 □ 徒歩 □ 自転車 □ 車
- 医療機関(内科・小児科など)
- 距離( )m
- 所要時間( )分
- 手段 □ 徒歩 □ 自転車 □ 車
通勤通学について
- 最寄り駅までの交通手段と所要時間
- ( )駅
- 徒歩( )分
- 自転車( )分
- バス( )分
- 最寄り駅から通勤先(通学先)までの所要時間
- 通勤( )分
- 通学( )分
家づくりの法的制限
建ぺい率と容積率
災害時の安全確保や環境良好な市街地形成のために、土地に建てられる建物の大きさには制限があります。どれくらいの大きさで建てられるかは地域ごとに定められている建ぺい率と容積率で決定します。建ぺい率とは、敷地に対する建築面積の割合のこと。容積率は、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合です。
敷地と道路の関係
建築基準法では、幅4m以上の道路に2m以上接していなければ、家を建てられないことになっています。もしも4m未満ならば道路の中心線から2mの部分までは所有する敷地内であっても、建物をはじめ、塀や門扉などを一切つくることができません。これは将来道路幅を4mに拡張するための措置で、セットバックといいます。また、直接道路に面していない敷地では、路地状部分が必要になり、建物と道路との間に道を確保しなければなりません。
規制緩和
土地を有効利用できるように、敷地の種類や大きさ、プランなどによって規制が緩和されることがあります。たとえば地下室を作る場合、天井が地盤面から高さ1m以下ならば、延べ床面積の1/3までは容積率には算入されません。また、住宅に付属する車庫の場合、車庫を含めた住宅全体の床面積の1/5以下までなら、延べ床面積に算入しなくてもいいことになっています。
高さの制限
建物の高さの制限には、絶対高さの制限、各部分の高さの制限(斜線制限)、日影による高さの制限(日影規制)の3種類があります。絶対高さの制限とは地面から建物の一番高いところまでの高さを制限するもので、都市計画法で定める用途地域の第一、二種低層住居専用地域では、高さは10mあるいは12mに制限されています。また、斜線制限とは建物の高さではなく、建物の屋根の一部分などの高さを規制するものです。高さの制限は、建物を建てることにより、周囲の日照、採光、通風などを妨げないように設けられた法律で、用途地域によってそれぞれ細かい規定があるので確認をしましょう。
家づくりのための基礎知識
建ぺい率と容積率
敷地面積が200㎡の場合で建ぺい率が60%、容積率が100%なら、建てられる建物の建築面積は200㎡×60%で最大120㎡、延べ床面積は200㎡×100%で最大200㎡。仮に1階部分に建ぺい率ぎりぎりの120㎡で建てた場合は、2階部分は最大80㎡に。
道路と敷地
4m未満の道路に面する土地には建築制限があります。このような敷地に家を建てる場合、原則として、道路の中心から2m後退したところまでを道路部分とみなし、自分の敷地でもその部分に建築物(壁、ひさしを含む)、塀、門柱などは作れません。
土地に関するQ&A
- 狭い土地や変形地でもいい家は建てられる?
- 正方形や長方形の土地はどうしても高額になりますが、狭小地や変形地の場合、価格が比較的手ごろです。
設計を工夫することで狭小地でも暮らしやすくなる可能性もありますが、規格型住宅のハウスメーカーの場合、土地の条件で断られる場合もあります。
事前に依頼先に相談するのが賢明です。 - 「建物条件付き」の土地って?
- 「建物条件付き」とは、土地にあらかじめ建物を建築する施工業者が定められていること。自分で選んだ施工業者にお願いしたい場合は不向きです。
- 軟弱地盤かどうかはどうすればわかる?
- 法務局の「公図」や「登記簿」、国土地理院の「土地条件図」を調べてみて、土地の履歴を知るという方法も。形状、性質、人工的な改変があったかなどがわかります。
- 自然災害の少ない土地の見分け方は?
- 地震の起こらない土地を見つけることは不可能でも、土砂崩れの起こりやすい土地を避けることは可能でしょう。
山や崖を削って切り土をしたところ、土地をかさ上げした盛り土の土地などを避ければよいのです。また役所で危険地域を調べることもできます。 - 「定期措置権」ってなに?
- 「定期措置権」とは、「ある一定の期間(通常50年)、土地を占有できるが、期間を過ぎたら元の所有者に更地で返還しなければならない」という意味です。
土地を買い取る場合に比べ、初期費用は少なくて済み、条件のよい土地が手に入りやすいメリットもありますが、返還時には家を解体しなければならず、家を財産として残すことはできません。